世界各国で医療大麻(一部の国では嗜好含む)解禁の動きが活発化しており、日本でもCBDの人気が広まってきています。
今回はそんなCBDのメリット・デメリットを探ってみたいと思います。
この記事を読めばCBDが持つメリットとデメリットは全て把握出来ます。
CBD(カンナビジオール)について
まずはCBDについて。
CBD(カンナビジオール)は大麻草から抽出されるカンナビノイド成分のひとつ。様々な病気・疾患への効果があることが分かってきており、世界中で研究が進められている成分です。
大麻と言えば危険性や常習性などが心配されますが、大麻に含まれる2大主成分として「CBD(カンナビジオール)」と「THC(テトラヒドロカンナビノール)」があり、一般的に精神作用がある大麻(マリファナ)として知られているのはこのTHCです。このTHCは日本の大麻取締法に違反しますが、CBDはその大麻取締法から除外された法的に合法な成分となります。
CBDの安全性
CBDの安全性については以下のページで説明していますのでご確認下さい。
結論としてCBDは成分として安全なものではありますが、私たちが商品として購入・使用する際においては、原料となる大麻草の栽培環境、商品の製造方法・製造工程、品質管理、完成品の成分表などが選択の際の判断材料となるでしょう。
CBDの効果・研究
CBD(カンナビジオール)は薬品ではない為に、その効果効能を謳うことは禁止されていますが、研究対象とされている疾患や症状は多岐に渡ります。
世界で最も使われている医学・生物学系の学術データベース「MEDLINE(メッドライン)」によると、1,000以上の論文研究が行われています。この中で動物やヒトに臨床試験を実施して論文になったものは約100疾患あり、それらの論文の信頼性(レベル)を評価したのが以下の疾患リストです。★印が3つ以上のものは研究結果レベルが高く、★印2つ以下のものでも今後の研究に期待がかかる疾患です。
「カンナビノイドの科学-大麻の産業・医療・福祉利用-」より引用
CBDを使う13ものメリットとは?
CBDを使うメリットを挙げてみると以下のように多数の項目が挙げられます。
- 様々な疾患改善の期待
前項で記載のとおり、実に様々な疾患で研究されており、益々医療への応用が期待されます。
特にCBDが世に知られたのがてんかん発作がひどかったシャーロットちゃん(当時3歳)のCBD治療です。あらゆる治療法を試みたものの、週に300回以上もの発作に効果は無く、『さよなら』も心の中で覚悟したという母親に笑顔が戻ったのは、CBD治療を始めて間もない時でした。
奇跡のシャーロットちゃんの映像をご覧下さい。 - 睡眠の質を向上
CBD(オイル)を使う人が増えている理由の一つとして挙げられるのが、CBDの不眠症軽減に対する期待によるものです。
医師により処方される睡眠薬には副作用があり、薬のタイプにより違いがあるものの、眠気・ふらつき・健忘(物忘れ)・依存などがあります。
一方、CBDは天然の植物由来成分であり、副作用がありません。
また、いくつかの研究において、CBDが睡眠サイクルに良い影響を及ぼし、レム睡眠(深い眠り)の時間を延長するかもしれないことが分かって来ています。 - アトピーなど肌のかゆみ改善
CBD成分がお肌からの直接的な吸収で肌トラブルへの効果が期待出来ます。
皮膚炎や乾癬を緩和して、かゆみを楽にしてくれたり、脂性肌やにきび肌に対しては、CBD成分が皮脂腺の分泌をコントロールしてくれます。
CBDオイルを直接肌に塗りこむことも出来ますし、お肌に直接塗るクリーム状のCBD製品も開発されてきています。 - 痛みを軽減
CBDは広範囲で強力な痛みを軽減する特性を持っており、筋肉痛、関節痛、神経痛を和らげるので効果的な抗炎症剤となる可能性があります。
実際に2018年には世界アンチドーピング機構(WADA)はCBDを薬物検査の禁止リストから除外しました。これにより特にアメリカでCBDを積極的に利用するスポーツ選手が増えています。
と言うのもスポーツ選手は怪我の痛みを抑えるために医者から大量の薬が処方されます。薬は徐々に利かなくなりますが、CBDは安全で、しかも依存性がないために選手にとっては従来のものより大変魅力的なものとなっています。 - リラックス・健康をサポート
CBDはリラックス効果も発揮します。CBDでこれまで最も研究されている利点の1つは、不安を軽減し、社会不安障害、パニック障害、強迫神経症、心的外傷後ストレス障害などの症状を持つ人々を助ける能力です。たとえ不安を持っていなくても、CBDは大きなストレス緩和剤となり、結果的に健康のサポートまで期待できます。
また、近年の研究では酸化防止剤的な側面もあり、腫瘍の成長を遅らせるか、防ぐことができる可能性があります。 - 自己免疫反応を鎮静
現代病の多くは自己免疫のトラブルによるもので、自身の免疫系により身体が攻撃を受けて戦わざるを得なくなる状態を言います。
アレルギー、皮膚炎をはじめ、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、過敏性大腸症候群、神経変性疾患(例えばパーキンソン病)、セリアック病などが代表的な自己免疫疾患ですが、CBDは体内で起こる自己免疫反応を鎮め、バランスの取れた状態を回復するのをサポートします。 - ECS(エンド・カンナビノイド・システム)を活性化
身体に本来備わっている身体調節機能=ECS(エンド・カンナビノイド・システム)は、食欲、痛み、免疫調整、感情抑制、運動機能、発達と老化、神経保護、記憶と認知などの機能を持ち、細胞同士のコミュニケーション活動を支えています。
最近の研究では、ECSは外部から強いストレスを受けたり、加齢に伴う老化によってECSの働きが弱り、いわゆる「カンナビノイド欠乏症」になると、様々な疾患になることが明らかになってきました。CBDは、これらの全身にある受容体に直接的に働きかけることで、本来のECSの働きを取り戻すことが出来るのです。
「カンナビノイドの科学-大麻の産業・医療・福祉利用-」より引用
- 免疫系を強化
人間は強いストレスを受けたり、身体の老化が進むと免疫システムのバランスが崩れます。過剰に働けば自己免疫疾患やアレルギー反応として現れ、低下すればがんや感染症の発症に繋がります。
CBDは、ECS(エンド・カンナビノイド・システム)に働きかけて免疫システムのバランスを調整し、最適な状態に保つ効果があることがわかってきています。 - 老人退行性疾患に有望
老化に伴って身体調節機能を担うECS(エンド・カンナビノイド・システム)が不調になって、以下のような老人退行性疾患にかかりやすくなりますが、外部からのCBD摂取により再びシステムを円滑に動かすことが出来るようになります。
・認知機能低下
・悪性腫瘍
・免疫機能低下
・2型糖尿病
・腎臓疾患
・心臓疾患
・アルツハイマー
・自己免疫疾患 - 処方箋を必要としない
CBDは医薬品ではないため処方箋が必要ありません。CBDオイルなどを各社が提供しているので一般的な食品や商品同様にネットやお店で簡単に購入することが出来ます。
但し、薬を服用している場合は事前に医師への相談をオススメします。薬との相互作用の可能性があるためです。 - 安心・安全で使いやすい
CBDに関する132の論文で、動物とヒトに対して安全性が高いという評価を受けています。
また、WHO(世界保健機関)では2018年6月にCBDの安全性が評価され、国際薬物条約における麻薬に該当しないことを勧告しています。 - 副作用がない
現代医療ではスグに薬や手術を勧められます。当然、その効果は大きく、手術では大きな成果をもたらすのも事実です。しかし、そんな現代医療をもってしても原因不明であったり、完治できない疾患があるのもまた事実です。しかも、それには大変な苦痛を伴う副作用があります。さらに副作用の症状に対してまた、薬を処方されるという悪循環に陥っているケースも少なくありません。
このような現代医療の問題を解決出来るかもしれないのがCBDです。 - ハイにならず常習性がない
CBDはマリファナの主成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が作用するカンナビノイド受容体CB1をブロックするために、THCが持つ”ハイ”な感じを抑制することが出来ます。
いくつかのCBDオイルはTHCを微量に含んでいる場合もありますが、日本に正規で入ってくる商品は厳しい審査を通過しており、且つ法的な理由から市場で流通する製品のTHCは0.3%未満と厳密に定められています。
CBDを使うデメリット(注意点)は?
- 薬との相互作用
CBDと医薬品の同時摂取は、医薬品の作用を強く、または弱くしてしまう可能性があります。そのため、CBD服用中に医薬品を摂取する場合には、医師または薬剤師に確認してから摂取することをオススメします。
摂取する場合は薬とCBDを同時に摂取せず、飲む間隔を空けて摂取するほうが安心です。 - CBD摂取に注意が必要な人
●食品アレルギーがある人
原料は植物なので植物アレルギーの可能性が否定出来ません。
アーモンド、りんご、バナナ、栗、ナス、グレープフルーツ、桃、トマトの食品アレルギーを持つ人は注意が必要です。
●妊婦・授乳中
妊娠中はCBDに関わらずサプリメントは避けたほうが無難です。
●血友病・パーキンソン病を持つ人
CBDには抗凝血作用があることと、筋肉の動きが悪くなる懸念もあるためCBD摂取を控えたほうがよいとされています。 - 副作用の可能性
有害性や重篤な副作用はないとされていますが、交感神経が興奮状態にある場合に以下のような体調の異変が一時的に見られる可能性があるとの報告があります。
・傾眠(ウトウトする)
・疲労感/だるさ
・自分を俯瞰しているような感覚
・低血圧
・口の渇き - 粗悪品や禁止成分含有を判断出来ない
私たちユーザーは、ラベル表示どおりのCBD含有率かどうかを判断する術はありません。CBDの人気に乗って粗悪な商品が出回っているのも事実であり、購入の際には十分注意をすることが必要です。
本来入っているはずの無いTHCが含まれていたというニュースも過去には報道されています。CBD製品を購入する際は、正式に販売許可を得ていない会社や個人からの購入は絶対に控え、第3者機関の証明書有無などを調べるようにしましょう。 - 商品価格が高い
純度の高いCBDの抽出にはたくさんの工程が必要で、どうしてもそれなりの価格になります。さらにCBD濃度が高くなれば、それが商品価格へも影響します。
また、厳重な品質管理のもとで製造される製品は特に高額になるため、最初は低濃度のものから試してみることをオススメします。 - 効果を実感出来ない場合も
医薬品でもなかなか効果が実感出来ない場合もあるかと思いますが、CBDについても同様で、しかも天然成分であることからゆるやかに身体の機能を正常化する特徴があります。さらに個人差もあるため、その効果をなかなか実感出来ないという声もあります。
以上がCBDのメリットとデメリットになります。
結論としてデメリットよりもメリットのほうが圧倒的に大きく、CBDにより救われる人が沢山いるであろうことは想像に難くありません。